kWは1,000Wです。MJは1,000,000Jです。k(キロ)は小文字、M(メガ)は大文字とする決まりです。 W(ワット)やJ(ジュール)は物理量と呼ばれており、苦手な方も多くいらっしゃると思われます。
物理では、長さや重さ、質量、時間について、m(メートル)、kg(キログラム)、s(秒)とすることが定められています。これらの頭文字をとって、MKS単位系と言います。MKSを規準として、N(力)、J(仕事、熱量)、W(仕事率)、Pa(圧力)などに拡張したものが国際単位系(SI)です。国内においても、計量法によって、ガス事業は、熱量の単位をJに圧力の単位をPaにすることが求められています。
余談ですが、今でもパソコンやテレビのサイズはインチで呼ばれますし、ゴルフはヤードで距離をはかります。必ずしもメートルが使われない例も、混乱を生む原因かもしれませんね。
- ■力
- kWとMJを学ぶには、まず力から入らなければいけません。方程式に抵抗のある方もいらしゃるでしょうが、ご辛抱ください。力FはF=mα という方程式であらわされます。m(質量)にα(加速度)掛けた値です。m=1kg、α=1m/s2 とすれば、1kg・m/s2 となり、この力の単位をN(ニュートン)と言い、万有引力の法則のニュートンにちなんでいます。
- ■仕事、熱量
- ある物質に1Nの力を加えて、1m移動させたとき、(1N・m)、単位はJ(1ジュール=1N・m)と呼びます。これが物理的な意味での仕事です。熱量の単位はカロリー(cal)です。1calは水1gの温度を1℃だけあげるのに必要な熱量です。19世紀のことですが、イギリス人のジュールは仕事と熱量の関係を研究していました。彼は自分で工夫した実験装置で、J=4.19J/cal を導きました。つまり、1calの熱量が4.19Jの仕事に相当します。 熱エネルギーを仕事に換える装置を熱機関と呼びます。ガスエンジン給湯器はガソリン機関で、仕事により電気が生まれます。
- ■仕事率
- W(ワット)は単位時間当たりにする仕事です。1秒間に1ジュールの仕事をする場合の仕事率を1Wと呼びます。1W=1J/sと表現されます。ワットは産業革命の時代の蒸気機関の発明者です。Wは設備規模を意味します。ガス器具のカタログでご確認ください。
- ■『年間熱負荷の計算』の注
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- (1)設備規模×時間⇒kWhが計算されます。
- (2)浴槽(タンク)容量×昇温温度⇒calが計算されます。
この両者はジュールの研究によって、同じ単位MJにたどり着くことがお分かりいただけたと思います。
エコウイルやジェネライトはコージェネレーション設備ですから、適切にお客様に対応するためにも、電荷、電流さらに電圧についても理解していなければいけませんね。
- ■電荷、電流、電圧
- 電流とは、マイナスの電荷を持つ電子が、マイナスからプラスに流れることです。それでは、電荷とは何でしょうか?
- 電荷とは、物体が帯びている電気の量です。
- 電気を帯びた物体間に働く力は、電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例するとの法則が、クーロンによって発見されました。
- F(力)=k(係数)×qA(物体Aの電荷)×qB(物体Bの電荷)÷ r2(距離の2乗) ・・・(1)
- この方程式は万有引力の方程式の類推から生まれたもので、質量を電荷に置き換えただけです。電荷の単位はC(クーロン)と呼ばれます。
- 質量と異なり、プラスとマイナスの値があります。電荷の一方がプラスで、他方がマイナスの場合、引力となりますが、プラスどうし、あるいはマイナスどうし場合、反発する力になります。
- ご参考
- 2つの1クーロンの点電荷を1メートル離して置いたときの力は、
- 9 × 109N(ニュートン:1kg・m/s2)
と、大変大きな重量に相当します。 - 電流の1A(アンペア)とは、1C(クーロン)の電荷が1秒間に電線の断面を流れる状態と定義されます。電子の電荷は 1.602 × 10-19クーロンですから、1クーロンの電荷とは、6.242 × 1018個の電子に相当します。
- A (アンペア) = C(クーロン) ÷ s(秒) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
- 最後は、電圧です。
1C(クーロン)の電荷を運ぶのに、1J(1ジュール=1N・m)の仕事を必要とする電圧が1V(ボルト)と定義されますから、- V(ボルト) =J(ジュール)[W(仕事)] ÷ C(クーロン) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
と公式化できます。- 電気の力F(力)は、(1)式から
- F(力) = qB (物体Bの電荷)× E(電場) とあらわされます。
- この式の電場[k(係数)×qA(物体Aの電荷)÷ r2(距離の2乗)]とは、電気の力が働く空間のことです。
- 既に述べましたように、W(仕事) = F(力) × d(移動距離)と定義されます。
すると、W(仕事)は、
W(仕事) = qB (物体Bの電荷)× E(電場) × d(移動距離) となります。
上の式のE(電場) × d(移動距離) の部分が電圧です。
位置エネルギーは、
W(仕事) = m(質量) × g(重力加速度) × d(高さ) とあらわせるため、
qB (物体Bの電荷)は、万有引力の質量に相当し、E(電場)は重力加速度gに相当することになります。電気回路は水流に例えられます。V(ボルト)はダムのような落差にあたることが分かります。- ついでに、W(J/S:仕事率)についてふれましょう。
(2)、(3)から
J(ジュール)[W(仕事)] = A (アンペア) × s(秒) × V(ボルト)となります。
両辺を秒(S)で割ると、
W(J/S:仕事率) = A (アンペア) × V(ボルト)となります。- 今まで、述べてきましたように、物理量の単位は極めて厄介です。そこで、勉強方法をご紹介します。
- 1.べき乗になれる
- べき乗は、物理量の単位の計算は小学校で習う掛け算、割り算で理解できるのです。例えば、長さのメートルm、面積はm2、体積はm3とあらわされます。
- 面積の場合は、1m × 1m = 1m2 とmが2回(2乗という)掛け算されており、
- 体積の場合は、1m × 1m × 1m = 1m3 とmが3回(3乗という)掛け算されているからです。2乗や3乗のことをべき乗といいます。mの0乗はm ÷ m = 1 で、-1乗は 1 ÷ m = 1 / m のことです。
- 2.単位の掛け算、割り算を実際に行う
- W(J/S:仕事率)やW(仕事)などについて、理解を深めていただくためには、この単位の掛け算、割り算を実際に鉛筆でしていただくとよいと思います。
- 3.方程式の意味をイメージする
- 方程式の意味をイメージする訓練も必要です。イメージができれば、記憶にも残りやすくなります。


